【プロ監修】バンカーショットの打ち方をマスターする!一発で脱出できるコツと練習法
初心者ゴルファーの中には、バンカーショットを苦手としている人もいるでしょう。しかし、コツさえつかめば、思っているほど難しいショットではありません。今回は、誰でも一発でバンカーを脱出できるショットのコツや練習方法を解説します。
目次
バンカーショットの打ち方は「砂と一緒にボールを飛ばす」が基本
バンカーショットの基本は「砂と一緒にボールを飛ばす」ことです。
砂の上からのショットは、芝と比べて難易度が高くなります。
というのも、バンカーで打つと砂の中にクラブがのめりこみ、大きな抵抗を受けてヘッドスピードが落ちます。するとボールの距離も伸びなくなり、バンカーから脱出できない要因に繋がります。
バンカーから脱出させたい思いが強すぎてむやみにボールを打ってしまっているなら、今すぐ打ち方を見直しましょう。
通常ショットとバンカーショットの打ち方の違いは「ダフリ」
通常のショットとバンカーショットの大きな考え方の違いは「ダフり」です。通常のショットでは、ダフりは禁物ですが、バンカーショットではダフらせます。
と言うのも、バンカーショットではボールに直接クラブを当てるのではなく、ボールの手前の砂にヘッドを入れて、砂ごとボールを脱出させます。そのためには、 意識して砂を爆発させるようにスイング しましょう。
よくあるバンカーショットの打ち方の間違い
バンカーショットでよくある打ち方の間違いが以下の2点です。
- エクスプロージョンにとらわれている
- 力を入れすぎている
ここではそれぞれの点について詳しく説明します。
【間違ったバンカーショット1】エクスプロージョンにとらわれている
バンカーから脱出させたいと思うばかりに、ハウツーを意識しすぎて、自らバンカーショットを難しくさせている可能性も考えられます。
バンカーショットでは「エクスプロージョン」と呼ばれる打ち方が一般的ですが、特にアマチュアや初心者ゴルファーにとっては非常に難しいテクニックです。
ですから、エクスプロージョンを意識するよりも、シンプルにバンカーからグリーンへ乗せることを意識しましょう。
「バンカーから脱出させるにはどうしたらよいか」を優先的に考え、自分なりの打ちやすい方法でチャレンジすることが大切です。それはすなわち、ダフらせて砂と一緒にボールを前に飛ばす方法です。
【間違ったバンカーショット2】力を入れすぎている
バンカーショットはボールが飛びにくいために、力一杯スイングする人もいるでしょう。
砂にクラブが入ると、抵抗によりスイングスピードが遅くなるため、ボールが飛びません。だからといって、少しでも外へボールを逃がそうと力を入れすぎるのは危険です。
力を入れすぎるとヘッドが抜けないため、フォロースルーを取れません。すると、どんなに力を込めてスイングしてもボールが前に飛ばなくなります。それだけではなく、 不必要なダフりやトップなどの大きなミスの原因にもなってしまいます 。
バンカーショットの際には適度に力を抜き、フォロースルーを取ることを心がけましょう。 インパクトの後、ボールを運ぶ感覚でフォロースルーを取るとうまくいきます。
バンカーショットの打ち方の基本アドレス
バンカーから脱出するには適切な構えが重要です。
以下の3つの点に注意して構えましょう。
- ボール位置は左足寄りに置く
- スタンスはオープンスタンス
- グリップはハンドレイト
ここでは、それぞれの点について詳しく解説していきます。
【バンカーショットの基本アドレス1】ボール位置は左足寄りに置く
バンカーで適切に構えるために、ボールは左足寄りに置きましょう。正確には「左足のかかとの延長線上」がベストです。
通常より左寄りにボールをセットすることにより、ボールの手前に鈍角にヘッドを入れやすくなるため、砂の抵抗を受け過ぎずバンカーから脱出することができます。
この位置のボールが打ちにくく感じる場合は、ボールを少しずらしてみるなど、自分に合ったボールの位置を見つけることが大切です。
【バンカーショットの基本アドレス2】スタンスはオープンスタンス
バンカーではオープンスタンスが理想です。左足を少し後ろに引き、体が少し左側に開くように構えましょう。
オープンスタンスにすると、ボールを飛ばしたい方向と体の向きが異なるため、少し違和感があるかもしれませんが我慢しましょう。
体が左側に向くので、フェースが開いて右に飛びやすくなる分をカバーできるとともに、自然とアウトサイドインの軌道になるため、ヘッドが砂に潜りすぎることなくバンカーショットができます。
バンカーショットの基本アドレス3】グリップはハンドレイト
バンカーショットではクラブフェースが開いた状態が理想的です。そのため、ハンドレイトでグリップをセットしましょう。
ハンドレイトとは、グリップがボールよりも右寄りになるようにフェースをセットすることです。 すると、打ったボールがふわっと高く上がります。
理想的なバンカーショットを打つためにはフェースを少し開き、高い軌道を描く打球を目指しましょう。
一発で脱出できるバンカーショットのコツ
一発でバンカーを脱出できるバンカーショットのコツは以下の通りです。
- バンカーショットではボールを直接打たない
- バンカーショットではコックを早めに入れてキープする
- バンカーショットではバンスをうまく使う
ここでは、それぞれの方法について詳しく解説していきます。
バンカーショットではボールを直接打たない
バンカーショットでは、砂ごとボールを脱出させるため、ボールを直接クラブで打つことはありません。
遠くへ飛ばしたいと強く意識すると、力んだ状態でスイングしてしまいます。しかし、うまく砂ごとボールを飛ばすために必要なポイントは、力ではなく、ヘッドの入射角です。 角度を調整してヘッドを砂の中に入れることにより、ボールをしっかりと飛ばせます 。
バンカーショットではコックを早めに入れてキープする
バンカーショットでボールを飛ばすには、コックを早めに入れてキープします。
砂地でボールが飛ばない原因に、腕とクラブにできる角度「コック」の問題があります。
構えた時は、腕とクラブの角度は狭い状態ですが、バックスイング時に少しずつ角度が開き、トップでは90度前後となります。続いて、ダウンスイング時にコックの角度がゆるんでしまうケースがあります。
バンカーショットでは、トップでのクラブの角度をキープしたまま、クラブを振ることを心がけてください。コックを早めに入れて、手首の角度をキープするイメージでスイングしましょう。
バンカーショットではバンスをうまく使う
バンカーからのショットを簡単にするために進化したクラブが「サンドウェッジ」です。ヘッドのソールにある出っ張り「バンス」をうまく利用すると、強く砂を叩かなくても砂の上からボールを遠くに飛ばしやすくなります。
バンスの大きさは、クラブが砂に入った時の爆発力に比例します。つまりバンカーショットではバンスをうまく使えるかどうかがポイントです。
状況別バンカーショットの打ち方のポイント
バンカーショットの基本的なアドレスやコツとしては先に述べた通りですが、状況によっては別のポイント意識すべき時もあります。
ここでは、状況別にバンカーショットの意識するポイントやコツを解説します。
フェアウェイバンカーではトップを意識する
フェアウェイバンカーでは、ハーフトップを意識しながらスイングします。アゴが高いフェアウェイバンカーではガードバンカーと同じように打ちます。
しかし、アゴが低いようなフェアウェイバンカーでは、ガードバンカーと打ち方が異なります。ダフりは禁物で、ハーフトップさせることを意識しスイングします。
そのためには以下の4点が重要です。
- ボール半個分、右足寄りに置く
- クラブを1cm短く握る
- 1番手飛ぶクラブを持つ
- 身体が上下動しないようコンパクトにスイングする
上記を意識することにより、ダフることなくバンカーから脱出できます。
ピンまで近距離ならスタンス幅を広げる
例えば「ピンまでの距離が約5ヤード」など近距離の場合は、普段よりもスタンスを広げましょう。さらに肩を落とし、ハンドダウンにしてオープンスタンスでフェースを開くことを意識することにより、ボールは高く上がりますが飛距離を抑えることが可能です。
重心は左足に7割、右足に3割ほどで、頭はボールの右側に位置するように構えることを心がけてください。頭の位置がボールより左側に来てしまうと、体が右サイドに突っ込んでしまい、ボールがうまく上がらなくなります。
ピンまで遠いならスタンスはほぼスクエアに
ピンまで20ヤード以上と、距離がある場合は、スタンスはほぼスクエアにしましょう。スクエアに近づけるとすくい打ちがなくなり、クラブが振り抜きやすくなります。
フェースを少し開いて、コンパクトなフルスイングを意識し、砂と同時にボールをピン方向へまっすぐに飛ばします。
ピンまでの距離が遠いと、力を込めてボールをすくい上げるように打ちたくなるかもしれません。しかし、ボールのコントロールが難しくなるため良いスイングとは言えません。
バンカーショットのホームランは打ち方の基本を見直そう
バンカーショットがホームランになってしまう場合は、打ち方の基本を見直しましょう。
ホームランの原因は力の入りすぎです。力みすぎるとスイングが速くなってしまい、ボールにクラブがクリーンに当たってしまうのです。
そうではなく、ボールはゆっくりと正確に打ちましょう。また、番手を上げることにより距離を伸ばすことも有効です。
別の原因では、ボールの位置が右寄りになっているために、ボールを上にあげようとして体の軸が傾いてしまっている場合もあります。
女性のバンカーショットの悩みはクラブで解決できる
女性は身体的特徴により、ヘッドスピードが男性よりも遅くなる傾向にあります。そのため、バンカーショットが苦手な女性もいます。
そのような人は、サンドウェッジ以外のクラブで解決できます。例えば、アプローチウェッジやピッチングウェッジなどを使うことにより、ヘッドスピードを低下させずにスイングが可能です。
“バンカーショット=サンドウェッジ”と思いこんでいる人もいるかもしれませんが、その時の状況や環境によってクラブを使い分けることも大切です。
バンカーショットは打ち方だけでなくルールも大切
バンカーショットではルールを守ることも大切です。以下のルールを守って正しくプレイしましょう。
- バンカー内でソールしてはいけない
- ペナルティ受ければボールを移動することが可能
- ルースインペディメントは取り除いてもよい
バンカー内では、クラブを地面につける「ソール」をしてはいけません。もし クラブを砂につけてしまうとペナルティとして2打加算されてしまいます 。
その代わりボールを移動できるので、打数よりバンカーの脱出を優先するなら、わざとペナルティを受けてボールをバンカーの後方に出すこともできます。
また、バンカーのボールの近くに小石や枯葉などのルースインペディメントがあるなら、取り除いたうえで、万全の体制で打ちましょう。
一発で脱出!バンカーショットの打ち方ドリル動画4選
ここでは、一発でバンカーを脱出できるバンカーショットの打ち方を動画で紹介します。
ティーアップしたボールを打つ
- 重心をしっかり下げる
- ボールではなくティを打つ意識で練習する
- 左の股関節に体重をかけてスイングする
バンカーと同じ状況を想定して練習することにより、距離感や感覚を養えます。足が砂沈むことを想定し、1~3センチ程度にティの高さを設定し打ち込むことにより、バンカーショットの練習をすることが可能です。
砂に引いたラインを消してスイング練習
砂に線を引き、自分から見て左のラインを消すイメージでスイングする練習方法です。慣れてきたら、ライン上に実際にボールを置いて打ってみましょう。左のラインに向かって鋭角にボールを打つことにより、上手にバンカーショットが打てます。
ボール下の山を打ってイメージをつかむ
ボールの下に作った山を狙うことにより、高い軌道で打てます。ポイントは、ボールの下からヘッドをくぐらせるイメージです。慣れてきたら徐々に山の高さを低くし、最終的には山のない状態で打てるように練習しましょう。
専用マットやタオルを活用して感覚をつかむ
バンカー練習用のマットを利用して、実際のバンカーショットと同じ感覚で打つ練習です。
マット以外にタオルでも代用でき、ボールの手前を狙ったり、砂が弾け飛んだりする感覚を擬似的に体感できます。
また、スポンジボールを使えば、自宅でもバンカーショットに近い感覚で練習できます。
バンカーショットは砂と一緒にボールを飛ばす意識が大切
バンカーショットは砂と一緒にボールを飛ばす意識が大切です。
アマチュアや初心者ゴルファーは、ボールを遠くに飛ばそうと力任せに振り切って、ボールを上から打ち付けてしまったり、ホームランしてしまったりします。
しかし、意識的にうまくダフらせられれば、砂とボールを前に飛ばせます。その際は適度に力を抜き、フォロースルーをしっかりとることを心がけましょう。
この記事を監修したプロゴルファー
樋口 健太郎
1991年10月2日、京都生まれ。父の勧めで小学校低学年から地元のゴルフスクールに通い始める。スポーツ推薦で千葉学芸高校から立命館大学へ進学。7年間体育会ゴルフ部でゴルフの技術とゴルフを通した人格形成を学ぶ。2016年、PGAプロテストに合格し、現在は出場権のある試合に出場し、並行してコースデビューからアスリートゴルファーまで幅広いレベルのゴルファーにレッスンを行なっている。大切にしていることは、まずはゴルフを楽しむこと。レッスンの面では確率やデータ、試合での経験に基づき、効率よくスコアアップのお手伝いをすること。
■使用クラブ
ドライバー テーラーメイドM4
FW キャロウェイ XR
UT AKIRA 21° 18°
アイアン AKIRA KS301
52°58° AKIRA 8シリーズ
パター スコッティキャメロン
使用ボール スリクソン zstarXV
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