【プロ監修】パター上達には距離感を把握する反復練習が必須!
グリーンに乗ったボールをカップに入れるために使う パター。
パターはクラブの名前ですが「パターをする」「パターがうまい」というように、パターを使ってボールを転がす 「パッティング」 を指すことも多いです。
ゴルフの経験がない方は「転がすだけ」と聞くと簡単そうに思うかもしれませんが、パッティングはスコア左右する難しい一打です。
この記事では、ゴルファーにとって重要なパターの 練習方法や距離感のつかみ方 など、上達のポイントを紹介します。
目次
プロが動画でわかりやすく解説!
この記事の内容をプロゴルファーが動画でわかりやすく解説しています。
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パターの距離感を磨くトレーニング【元阪神タイガース近田豊年メソッド】
パターの打ち方に正解はない
皆さんはパターを使うとき、どんなイメージを持って打ちますか?
例えば、ヒジを伸ばす、ヒジを曲げる、ヘッドを真っ直ぐ引く、振り子のように振る……
このように、さまざまな考え方があると思います。
どれが正解なのでしょうか。
実は、パターには「絶対にこれが正解」という打ち方はありません。パターは転がすことに特化したクラブなので、打つだけならばクラブが持てれば子供でもできます。
でもそうなると「なら、どうやったら上達するのか」となりますよね。
何が重要かというと、ポイントは大きく分けて 「距離感」と「方向(コントロール)」 です。
もちろんこれはパターに限らず大切な要素ですが、ゴルフというスポーツはこの2つの精度が高まれば、 極端な話どんな打ち方をしてもよい のです。
今回は特に距離感について解説していきます。
・パターの打ち方に正解はない
・重要なのは距離感と方向(コントロール)
トッププレーヤーのパット成功率は?
練習方法について話す前に、皆さんは世界のトッププレーヤーたちの「パター成功率」をご存知でしょうか。
あるデータでは、 1mのパットで成功率は約94% といわれています。
これはイメージ通りだと思いますが、 2mのパットとなると成功率は約50% まで急落します。
テレビなどで見かけるプロをイメージしていると「70%くらいは成功しているのでは」と思うかもしれません。
確かに、自分が見たその週に開催されているツアープロの試合情報を確認すれば70~80%くらい成功しています。
この場合の「約50%」とは、 1年を通じた大まかな数値 です。
メディアで発信されるような決勝ラウンドに出ている選手は、優勝争いに残るくらいですから、コンディションは絶好調。
なので、そのラウンドだけ見ればパットの成功率も高くなっています。
トッププレーヤーのロングパット成功率は約8%
プロ中のプロでも2mのパット成功率は約50%と紹介しましたが、 3mになると約24% になります。
つまりプロなら3m(ワンピンほど)のパットを4回に1回くらいは成功する確率です。
では、一気に10mまで距離が延びればどうなるか。 10mパットの成功率は約8% だとされています。
想像していたより高い成功率ではないでしょうか。
ざっくり計算すると10回に1回くらいはロングパットが成功する確率。
さすがプロですね。
距離感を磨く練習方法とは
ここまでトッププレーヤーのパット成功率をお伝えしました。
しかし当たり前ですが、プロと比べるとアマチュアゴルファーのパット成功率は低くなります。
このデータから考えても、アマチュアの方のパッティングは「狙って打っても入らない」場合が大半になると思います。
そのため、まずはクラブの扱い方よりも、カップとボールの 距離を把握する感覚を磨く ことが大切です。
続けて、どんな練習が有効か解説します。
自分のパットの距離を把握する
まずは自分の「無意識パットの距離」を確認しましょう。
これは文字通り 無意識にパッティングしたときの距離 のことで、小脳パットなどと呼ばれることもあります。
この距離が「自分が最も合わせられる距離」になります。
では、距離を確認したらどうするか。
例えば自分の無意識パットの距離が8mだと仮定し、次に自分の ミニマムパットと最大パットの距離 を測りましょう。
今回はミニマムパットが2m、最大パットが17mだったとします。
この3つの距離が把握できれば「カップまで残り5mなので無意識パットよりも少し弱めに打つ」「カップまで20mあるから最大パットでも入らないので、さらに強く打つか、もう一打必要になる」など感覚がはっきりしてきます。
後はさまざまなパターンで 反復練習 すれば、距離感を把握できます。
カップから30cm間隔で打ち分ける感覚を身に付ける
パッティングでは、 カップから30cm間隔で打ち分ける感覚 が大事です。
例えば、パットをするときに真横のスライスラインだとわかっても、この打ち分けができないとボールの転がり方が強過ぎたり弱過ぎたりして、カップインできません。
打ち分け感覚を高めるため、 カップから3mまでの距離で練習 してみましょう。
先ほど距離感の練習を解説した際に、ミニマムパットについて触れましたが、この2mのミニマムパットでバックスイングが10cmだったとします。
これを基準にします。
次にミニマムパットのバックスイングに ボール1個分(約4cm)の距離を加えて 14cmのバックスイングでパッティングをします。
当然、ボールが転がる距離はミニマムパットよりも伸びます。その距離を測りましょう。
そして、さらにボール1個分を加え18cmのバックスイングしてパッティングします。
これもまた距離が伸びます。
この 小さく打った距離 を何度も何度も練習します。
これにより、カップから3mまでの距離感を覚えられます。
ある程度練習したら、実際にカップまでの 3mを30cm間隔 で打ってみましょう。
自分の打ち分け感覚が磨かれたかどうか確認できます。
上達に役立つ動画を紹介
パター上達の参考になる動画を紹介します。
おうちで出来るゴルフトレーニング【パート7】元阪神タイガース近田豊年メソッド
自宅でできるパターの距離感をつかむトレーニン方法を紹介しています。
・バックスイングをボール1個分ずつ大きくしていき、感覚を養う
・何回も何回も練習することが大事
・パターの振り幅を覚えよう
まとめ
今回は パターの距離感 について解説しました。
世界のトッププレーヤーでさえパターの成功率はあまり高くないというのは、意外だったのではないでしょうか。
パターは繊細な力加減が必要で、グリーンは細かい凹凸や不確定な要素が多く、 人間が完璧に予想するのは難しいです。
狙った所に打っても入ってくれませんし。
逆にミスをしても、カップインしたりします。
なので、カップに入れるよりも寄せることがパター上達につながります。
距離感を把握することでしっかり寄せられるようになります。練習は大変ですが、もっとパターを上手に扱って、スコアアップを目指しましょう。
・パターの打ち方はどんな打ち方でもOK
・最も重要なのは距離感。トッププレーヤーでさえ成功率は50%なので狙って入るものではない
・地味な練習であるが、距離感を反復練習が必要
関連記事:パター練習器具おすすめ20選|用途も徹底解説。プロ愛用品も
この記事を監修したプロゴルファー
近田豊年
●Profile
高知県出身、元プロ野球選手。明徳義塾高校から本田技研鈴鹿を経て、南海ホークス(現ソフトバンクホークス)に入団。両投げ投手として活躍し、1991年に阪神タイガースに移籍。同年に引退後、2005年までプロや研修生を中心にしたゴルフ・ミニツアー「ドリームツアー」の主催やジュニア育成のためのレッスンなど、ゴルフ界にも貢献した。現在もゴルフ普及のために積極的に活動している。
■使用クラブ
ドライバー・W3・W5:テーラーメイドSIM2
アイアン:ミズノプロ223
ウェッジ:タイトリストボーケイ
PT:スコッティキャメロンニューポート