【プロ監修】上手なパッティングには正しいアドレスが必須!
グリーンでボールを転がしてカップに入れるためのクラブ「パター」。
そのパターを使ったショットを「パッティング」といい、ホールインワンなどを除けば、 カップインさせるために絶対に必要になるクラブ とスキルです。
この記事ではそんなゴルフにとって、とても重要なパターの基礎を解説。少しでもパット数を減らすためにアドバイスを紹介します。
目次
プロが動画でわかりやすく解説!
この記事の内容を監修したプロゴルファーが動画でわかりやすく解説しています。気になったポイントやアドバイスはこちらでチェックしてみましょう。
パターの打ち方は「人それぞれ」ではありません
グリーンでの練習中などに「パターは感覚」「打ち方は人それぞれ」という言葉を耳にする方もいるのではないでしょうか。
実際にパターはボールを転がすことに特化したクラブですから、ほかのショットとはスイングやボールに当てる感覚が異なります。しかしパターはホールに出れば必ず使うクラブ。
そんな大事なパターを本当に「人それぞれ」で済ませてしまってよいのでしょうか。 「どんな人でも使うクラブ」ということは、つまり誰でも「得意なクラブ」にできる可能性を持っているということ。
自分が狙った場所に打つことでパット数を減らすことが、スコアアップへの一歩です。
「上手なパット」には「正しいアドレス」が大切
パターでのショットに限りませんが、ゴルフではボールを打つ構え、 つまり「アドレス」がとても重要な要素 になります。
例えばホールカップまでの距離が読めても、真っすぐボールを打てなければカップインできません。
精度の高い上手なパットを練習通りに再現するには正しいアドレスを作ることが大事です。
「パターの握り方」は実際に握って選ぶ
パターはほかのクラブとは違い「握り方」にも種類があります。両手の一体感が出やすい「オーバーラッピング」や「リバースラッピング」、手のひらで握る「パームグリップ」、拝むような形になる「アーメングリップ」などさまざま。
パターとの相性や手の大きさによって適切な握り方は変わってきますので、 実際にクラブを構えて「握りやすいな」と感じる種類を選ぶのがおすすめです。
・実際に握ってみることが大事。
スタンスによってパターの振り幅も変わる
パターの握り方が決まったら、次は理想的なアドレスについてもう少し具体的に考えてみましょう。クラブを構えた際の足の広さを「スタンス」と呼びますが、 基本的には自分の肩幅程度に足を開くとよいでしょう 。
ただ、ボールの落ちた状況や狙いたい距離によってはスタンスも変える場合があります。例えばロングパットでは、パターの振り幅が大きくなる分、体を安定させる必要がありますので、少し広めにスタンスをとるのがおすすめです。
逆に短い距離や斜面でのパットでは振り幅を小さくするため、スタンスを少し狭くしてみましょう。
下半身を安定させてブレを減らす
そうしたスタンスの足の開き方ですが、両足の外側を垂直にして構えてみてください。
すると少し内股気味に感じるかと思います。この形によって股関節がやや体の内側に向かって回転することで下半身が安定。つまりストローク時に体が左右に動いてしまう スウェーを防ぐ効果 があります。
プロゴルファーもこうしたスタンスを意識していることが多く、日本勢初の「マスターズ」チャンピオンである松山英樹選手もこのスタンスを使っていることがあります。
パターのバランスに対応した姿勢を保とう
それからパターを持った際の姿勢ですが、まずは自分のパターのバランスを確認してみてください。
パターがフェースバランスの場合は多少背中を丸くして構えた方がフェース面の開閉が減ります。トゥヒールバランスであれば背筋を自然に正して構えます。
適切な姿勢を保つことでボール真っすぐ打つ精度がアップします。
・自分のパターのバランスを確認してみよう
手元の位置は鏡でチェックしてみよう
アドレスの大切さについて改めて理解できたのではないでしょうか。では続いては手元についても確認してみましょう。
基本的にパターはソールの面全体を地面に接地させます。
ですが、このときにソールのトゥ側が浮いてしまうと左に引っかけやすくなります。トゥ側が浮いてしまう場合は「ボールから遠い」「手元を下げすぎている」といった原因が考えられます。
また反対にヒール側が浮いてしまうと、ボールが右に打ち出される傾向が強くなってしまいます。このように構えた パターが長過ぎたり短過ぎたりすると 、パターのライ角が合わず、 正確なショットができません。
ボールのコントロールが悪いと感じる場合は、カメラや鏡を使って手元の位置などをチェックしてみましょう。
最下点でヒットさせることで、パターの性能通りのショットに
パッティングの際、ボールの位置は体の正面から見ると左目の真下にあります。よってパターの位置は体の正面。
パターが正面にあるということは、ストローク時の振り子運動をすると、ヘッドがストロークの最下点を迎え、 パターのロフト通りにボールを打つことが可能になります。 ではどうしてボールを最下点で迎える必要があるのか。
これはパターのロフトが立った状態ではボールを芯で捉えることができませんし、ロフトが寝てしまっても転がりが悪くなってしまうためです。 最下点でヒットさせることで、パターの性能通りのショットが実現 できるのです。
オフセットの有無でボールの適切な位置も変わる
パターは オフセットの有無によって形状が変わります。
オフセットとはフェース面がシャフトの軸線よりも打ち出し方向の後方にどれだけ下がっているか、というもの。オフセットがあるパターのボール位置はオフセットのないパターに比べると右寄り、もしくはスタンス中心寄りの方が構えやすく、真っすぐに打ち出しやすくなります。
一方、オフセットがないパターはフェースが前に出ているので、その分ボールはスタンス中央よりも左にあった方が打ち出しやすくなる場合があります。
ミスの原因はさまざま、一つひとつ考えて対策しよう
今回の記事では、パッティングについて解説しましたが、ボールが思い通りに転がらない原因は、ほかにも考えられます。ポイントをまとめていますので、 自分がどんな状態に当てはまるのかを確認しながら、改善策を探しましょう。
・押し出しが頻繫にあるときは、ハンドファーストに構えすぎている可能性も。
・引っ掛けが多いのはハンドレイト気味の可能性。
・傾斜があってカップの手前でボールが曲がってしまう場合は、センターよりも少し右にボールを置いてみる。
・傾斜がありカップ手前で右に外れる場合は、ボールを左目の下より、若干左にセット。
パターの練習と上達のポイント動画を紹介
パター上達に役立つ動画を紹介します。
まずは基本となる動きを把握しよう
パッティングフォームには「これが正しい」という答えはありません。しかし、どんなショットにもベースとなる動きは存在します。基本となる動きを習得することで、自分に合ったフォームに改善することができるのです。ですので、調子が悪いときこそ、初心を思い出して基礎を大切にしましょう。
・ブレを少なくして、確実にフェースの芯に当てる
・肘からクラブシャフトまでを「一直線」の状態に
パターは下半身の動きを最小限に
パターは通常のスイングと構え方が違います。全身を使ってパワーを伝えるドライバーなどのショットと違い、下半身のブレを抑えることが重要。下半身のバランスが乱れると、当然上半身も動いてしまい、コントロールが安定しません。そのためしっかり安定するアドレスを意識する必要があります。
・骨盤を立てることで体制が安定する
まとめ
誰もが使うパター。
今回の記事ではパッティングを安定させるために、ボールの位置やアドレスの取り方を中心に紹介してきました。 安易に「パターの感覚は人それぞれ」と諦めてしまうのではなく、着実に基礎から練習することが大切 です。
まずは体の姿勢とクラブの構えから再確認してスコアアップを目指しましょう。
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この記事を監修したプロゴルファー
安部 アレキサンダー 力
小学4年生からゴルフ人生がスタート、坂田塾に入塾。
その後10代の2年間、オーストラリアでのゴルフ留学で腕を磨く。
帰国後はプレーヤー兼トレーナーとして、インドアゴルフでのレッスン活動を開始。
大阪を拠点としてアパレル業界に籍を置き、モデルやDJとしても活動する。
スクールのゴルフトレーナーの活動では2年連続でベストトレーナー賞を受賞したことをきっかけに独立。
2021年からは関西を中心にレッスン活動を精力的に行っている。
■使用クラブ
ドライバー PING G400
3W PING G400
4U PING G400
アイアン PING i500
50° Titleist VOKEY FORGED
56° Titleist VOKEY FORGED
パター ODYSSEY WhiteHot #5
■使用ボール
Titleist Pro v1