【プロ監修】アイアンのダフリを直したい!原因と改善動画ドリル
ティーショットを気持ちよく打てても、セカンドやアプローチショットでスコアを崩してしまう初心者ゴルファーも少なくはないでしょう。
アイアンはもっとも利用回数が多いクラブなので、ラウンド中に一度でもダフってしまうと次に打つのが怖くなり、スコアどころではなくなります。
しかし、ダフる原因を理解すれば、ラウンド中でも対処できます。
この記事では、ダフリの原因や対策、練習法を解説します。ドリル動画も参考にしてください。
目次
アイアンのダフリとは?
アイアンの「ダフリ」とは、スイング軌道の最下点がインパクトより前に来てしまい、、クラブヘッドがボールの手前で地面に着いてしまうミスショットです。
アイアンは、ダウンブローでインパクト後に、クラブヘッドがボールより先の芝生で最下点を迎える状態が正しいスイング軌道です。
ボールにスピンがかかるため、高弾道で適正な飛距離の球が打てます。
しかしヘッドが先に地面へ着いてしまうと、スイングスピードの減少や芝がクラブとボールの間に入るのでボールは飛びません。
アイアンがダフる7つの原因と直し方
アイアンでダフるには様々な原因があります。もしラウンド中にダフることになっても、事前にこれらの原因の対処法をおさえておけば、慌てることなく対応できます。
ここでは、アイアンでダフる7つの原因と具体的な直し方を紹介します。
アイアンがダフる原因1.ボールの位置が左に寄りすぎる
ロングアイアンなどの場合、飛距離を出そうと意識して「ボールの位置が左に寄りすぎている」点もダフリの原因になる可能性があります。
飛距離を出すための「左置き」は、高弾道で飛ばせる期待があるためです。しかしアイアンはダウンブローでインパクトするので、すくい打ちでは飛距離は出ません。
左に寄りすぎるとボールの先で最下点を迎えることが難しくなりダフる可能性が高くなってしまいます。
また、球を左に置きすぎることにより右肩が前に出た構えになり、軌道がアウトサイドインになるため様々なミスを誘発してしまいます。
<直し方>
- ボールは中央に置き、スイング軸がブレないように頭の位置を変えない意識で振る
アイアンがダフる原因2.コックがほどけている
ダウンスイングでコックがほどけてしまう状態もダフリの原因です。
コックがほどけるとは、アドレス時の腕とシャフトの角度を保てずにインパクトすることです。
腕とシャフトの角度が緩むと、クラブヘッドが下がりアッパー軌道でインパクトを迎えます。そのため、ボール手前の地面が最下点となりダフります。
コックがほどけるケースはさまざまですが、ボールを上げようとすくい打ちしたり、ボールへの意識が強すぎ手元を動かしたりする「手打ち」が、おもな原因といえます。
ショートアイアンの距離が出ないゴルファーは、コックがほどけている可能性があるので「直し方」を試してください。
<直し方>
- ボールを強く意識せず体の回転を意識したスイングをする
- 打つボールの先に球がもう2つ並んでおり、その球まで打つつもりでスイングする
また、手の返しが早すぎて手首が伸びた状態でインパクトする「アーリーリリース」についての動画も紹介します(1:13からご覧ください)。アーリーリリースは解消しづらいので、動画で仕組みや原因を確認しましょう。詳しい解消方法は後述します。
アイアンがダフる原因3.右肩が落ちて手打ちになっている
右肩が落ちて手打ちになる状態もダフる原因です。おもに「打ってやろう」と上体に力を入れすぎていること、アドレスで取った前傾姿勢が保てないことが原因です。
力を入れすぎるとスイング時に上体が突っ込み、頭が下がり右肩が前に出てしまいます。
するとアドレス時よりも手元の位置が下がってしまい、ダフリのミスに繋がります。
また、前傾姿勢を保てずに体を起こしてスイングすると、上体が伸び切った状態になります。そこから手元を使って打ちにいくと、右肩が落ちてダフってしまうのです。
<直し方>
- 打つこと自体に意識を向けず、「スイングをする」と意識する
- 右ヒジを体に付けながらダウンスイングする
- 頭を動かさずに、アドレス時の前傾姿勢を保つ
右ヒジを体に付けて素振りするのも効果的です。体に覚えさせることで、ボールを意識して力むことなく自分のスイングでインパクトできるようになります。
アイアンがダフる原因4. インパクト時、右足に体重が残りすぎている
右足体重でスイングするのも、ダフリの原因です。インサイドアウト軌道でスイングすると、体重を左足に乗せづらくなります。
体重移動ができず右足体重になり、その分クラブヘッドの最下点が手前になりダフリの原因になるのです。
また、高弾道で飛距離を出そうとした結果のすくい打ちも、体重が右足に残る要因です。すくい打ちでは、高弾道どころかボール自体が捕まらないため、ダウンブローで打ちましょう。
<直し方>
- アドレスでは両足に均等に体重をかけて構える
- テイクバックの始動を真っ直ぐに引くよう心がける
- トップで頭が右に動くのも原因。軸ブレしないように捻転させる練習をする
- すくい打ちでボール上げたいとは考えず、ダウンブローで打つ
アイアンがダフる原因5.ボールと芝の間にリーディングエッジを差し込もうとしている
インパクト時、ボールと芝の間の一点にリーディングエッジを差し込もうとするのもダフリの原因です。
リーディングエッジを差し込もうとすると極端なダウンブローになり、インパクトが点になってしまいます。そのため緩やかなダウンブローでボールの先の芝を薄く削るイメージが良いでしょう。
アイアンは、ボールの赤道よりも若干下をインパクトすることでスピンがかかり、飛距離が出る高弾道が叶います。
ここで、アイアンがダフる原因を解消するドリル動画を紹介します。
リーディングエッジをボールと芝の間に入れる問題点や直し方などを解説しているので参考にしてください。
<動画のポイント>
- ダフるゴルファーは、インパクトポイントを一点だと考えてしまう
- 一点と考えるとV字スイングになりダフリやすい
- インパクトゾーンは長くスクエアにヘッドを動かす意識をする
- ヘッドの高さが一定に保つほど安定したショットが打てる
- ボールと芝の間にリーディングエッジを入れようと意識しすぎるとダフリの原因になる
アイアンがダフる原因6.スライス系ゴルファーはアウトサイドの高い位置からヘッドが入るためヘッドが手前に刺さりやすい
スライス系ゴルファーのダフリは、アウトサイドイン軌道で、上からクラブヘッドが入るため、ボール手前に突き刺さる感じです。
そのためインパクトしても、フェースが上を向いてトゥ側に当たりやすく、力のない高いボールが出やすくなります。
スライス系ゴルファーは、ボールを左に置き右肩を前に出してアドレスを取りがちです。この構えでは、スイング時に上体が突っ込んで手元が遅れるのでダフリが出やすくなります。
<直し方>
- ボールは真ん中に置く。真ん中に置くことでアドレス時に右肩が前に出るのを防ぐ
- 体を右に残して腕を振り抜くイメージでスイングする
- インパクト時は胸が右を向いているイメージで打つ
- フォローとフィニッシュは高めを意識する
アイアンがダフる原因7.フック系ゴルファーはヒールに当たりやすい
フック系ゴルファーは、インサイドアウト軌道で下から上にクラブヘッドが入るため、ダフってもボールには当たりやすいスイングです。しかし、ヒール側に当たりやすく当然ミスショットになります。
フック系ゴルファーがやりがちなインサイドアウト軌道では、クラブヘッドが最下点で地面に着いてから上昇中にインパクトすることになります。
おもに、ボールの位置が右すぎること、アドレスで右肩を下げすぎていることが原因です。また、高いフィニッシュになる傾向もあり、高弾道のボールをイメージしてスイングするとトップするケースもあります。
<直し方>
- ボールは真ん中に置く。真ん中に置くことでアドレス時に右肩が下がるのを防ぐ
- ダウンスイングからインパクトまで体を左に回していくイメージでスイングする
- フォローとフィニッシュは低めを意識する
アイアンでダフらない打ち方をイメトレ
ダフらない打ち方をするには、アドレスを意識する必要があります。
<ポイント>
- アドレスは両足に均等に体重を分配する
- ボールの位置は中央
- インパクトでは、右足8対左足2の配分で体重移動させる
- 手打ちを防ぐため体の回転でスイングし、体の中心に手元を固定するイメージで振る
- 体の中心から手元が遅れるなら左ヒジを体に付けるイメージでスイングする
- 体が突っ込むと右肩が先行し振り遅れるため、頭の位置を変えない意識でスイングする
- インパクト時のグリップは左の太もも付近が目安
- コックをほどかずにアドレス時の腕とシャフトの角度を保ってインパクトする
- クラブヘッドの最下点はボールより先を意識して振る
次ではドリル動画を紹介するので、上のダブらない打ち方をイメージし、動画でレッスンしましょう。
アイアンのダフリ対策動画ドリル8選
ここからは、アイアンのダフリ対策のドリル動画を8つ紹介するので、スコアアップに役立てましょう。
インパクトで右肩が落ちる状態を素振りで解消する
インパクトで右肩が落ちてダフるゴルファーに、有効なスイングイメージと練習法を紹介しているドリル動画です。
野球のような素振りをして、垂直にスイングするイメージを体に覚えさせてからボールを打つ、という練習方法です。
<動画のポイント>
- へその前にボールがあるイメージで素振りをする
- 右肩が落ちないスイングがイメージできる
- スイング軸に対して垂直に体を回すように振る
- 高くティーアップしてボールを打つ練習をする
ダフリを解消する、前傾姿勢をキープするドリル
前傾姿勢をキープできずにダフってしまうゴルファー向けの、修正方法や練習方法を紹介しているドリル動画です。
アドレス時の前傾姿勢をキープできれば、スイング軌道は安定します。インパクト時に伸び上がってしまいダフるケースでは、どのように修正すべきかを説明しています。
<動画のポイント>
- 伸び上がる原因は右足を蹴りすぎて右のお尻が前に出てしまうため前傾姿勢が崩れる
- 前傾姿勢が伸びると手元が前に出るためフェース面が開く
- 縦にボールを2つ並べ奥側のボールでアドレスを取り、手前のボールを打つ練習をする
- 手先でボールを狙うのではなく、左のお尻を十分に引いて体を回転させて打つ
ステップ打ちで、アーリーリリースを根気よく改善
アーリーリリースを改善するため「ステップ打ち」での練習方法を紹介したドリル動画です。
前述したようにアーリーリリースは直りづらいですが、根気よく練習し改善を目指しましょう。
<動画のポイント>
- ステップ打ちとは左足を動かし素振りする練習方法
- アーリーリリースは左足を動かすタイミングを覚えなければ直せない
- テイクバック直前に左足を左側へスライドさせる
- 「上半身は右」「下半身は左」の体のねじれを覚える
- ねじれによってお腹が伸び切ったポイントが切り返すタイミング
素振りではなく実際にボールを打つ練習をする場合は、左足の外側にボールを置いて行います。詳細はドリル動画の5:53あたりからご覧ください。
手元の力みを抜いてダフリを防止する
インパクトで手元が浮くことによるダフリを防止するため、手元の力みを取り除く方法を紹介したドリル動画です。
<動画のポイント>
- ダフリはハンドファーストができていないゴルファーに多い
- ハンドファーストができないとボール手前の地面を打ってしまう
- インパクトまではグリップ先行でスイングする
- 手元が浮かないように低く振る
- 手元が浮かないようにするには、グリッププレッシャーを一定にする
- インパクトの瞬間に力を込めて手元が浮くのを改善できる
- 胸の前で腕を伸ばし、クラブを構えて水平に素振りをする
- 低く振る動きが身につく
左肘を伸ばした状態でスイングする
ラウンド中に、突如としてアイアンがダフってしまった場合のドリル動画です。
左腕にポイントを置いてわかりやすく解説しています。
<動画のポイント>
- 腕を使って上から打ち込むこと、クラブのリリースが早いことがダフリの原因
- 腕を使って上から打ち込むダフリの特徴は、テイクバックで左腕を曲げインパクトで伸ばしている
- クラブリリースが早いダフリでも、テイクバックで左腕を曲げた反動でインパクトする
- ダフリが出始めたら左腕を力まない程度に伸ばしてアドレスする
- テイクバックからフォローまで左腕を伸ばしたままスイングする
ガムテープを使ってダフリ解消
ダフリの解消に役立つ、練習場でも可能なガムテープを使ったチェック方法です。
練習場は芝ではないので、ダフっているのかわからないこともありますが、簡単にチェックできるので試してみましょう。
<動画のポイント>
- ボールをすくい上げようとインパクトで右肩が下がってしまうのがダフリの原因
- ボールを置いた前後にガムテープを貼る
- ターゲット方向には正方形のガムテープを貼る
- 後方には前方のガムテープの半分サイズを貼り、ボールとの間隔を1cm程度空ける
- 後方のガムテープだけが剥がれたらダフリ
- 前方のガムテープだけが剥がれたらダウンブローができている
クラブフェースを閉じてダフリ防止&飛距離アップ
絶対にダフらない、ダフリを“100%防止する方法”を紹介しています。練習場ではうまく打てるのに、コースでは打てないという悩みに効果があるドリル動画です。
動画では「ボール手前で最下点を迎えても、フェースを閉じインパクトすることで、ダフリとは思えない弾道を打てる」と伝えています。
<動画のポイント>
- コースだけでうまく打てない原因は地面環境の違い
- コースでは力んでしまいうまく打てなくなる
- フェースを閉じればボール手前にヘッドが着いてもダフらない
- フェースを閉じることをマスターすれば飛距離アップも期待できる
<応急処置>ラウンド中にダフリだしたら右足を蹴る
ラウンド中に突然ダフリだした場合の、応急的な改善方法を紹介したドリル動画です。
<動画のポイント>
- ラウンド中にダフリだすのは足の疲れで右足の蹴りが遅くなり左に体重移動できなくなるため
- ダフリが出だしたら、疲れていても右足を蹴る
応急処置なので、ラウンド中に疲れを感じダフリだしたら試してみましょう。
ダフリにくいアイアンを使ってみる
ダフリ対策として、ダフリにくいアイアンの使用も一つの方法です。ダフリに強いかどうかはソールの形状によります。
ソールが狭いアイアンでは、ラフに入っても芝の抵抗を少なくできるので直接ボールを打ちやすい反面、地面に刺さりやすいためダフると飛距離は期待できません。
ソールが広いアイアンは、ヘッドがボールの少し手前に入ってもソールが滑るため、飛距離の低下を防ぎます。
このように、ダフっても影響を軽減できるケースもあります。
さらに詳しい内容については、こちらの記事もご覧ください。
★「【プロ監修】アイアンの種類と選び方を徹底解説、レッスン動画つき。初心者必見!」
アイアンでダフる原因を把握し改善・スコアアップを目指しましょう!
アイアンはラウンド中にもっとも使うクラブです。ダフリだすとスコアにもメンタルにも影響が出るゴルファーも少なくありません。
ダフリは原因を知ることで、ラウンド中の改善や効果のある練習ができます。
アイアンでダフる悩みがあるなら、ここで紹介した原因や練習方法などを確認し、スコアアップを目指しましょう。
この記事を監修したプロゴルファー
樋口 健太郎
1991年10月2日、京都生まれ。父の勧めで小学校低学年から地元のゴルフスクールに通い始める。スポーツ推薦で千葉学芸高校から立命館大学へ進学。7年間体育会ゴルフ部でゴルフの技術とゴルフを通した人格形成を学ぶ。2016年、PGAプロテストに合格し、現在は出場権のある試合に出場し、並行してコースデビューからアスリートゴルファーまで幅広いレベルのゴルファーにレッスンを行なっている。大切にしていることは、まずはゴルフを楽しむこと。レッスンの面では確率やデータ、試合での経験に基づき、効率よくスコアアップのお手伝いをすること。
■使用クラブ
ドライバー テーラーメイドM4
FW キャロウェイ XR
UT AKIRA 21° 18°
アイアン AKIRA KS301
52°58° AKIRA 8シリーズ
パター スコッティキャメロン
使用ボール スリクソン zstarXV
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