【プロ監修】最近のアイアンは「打ち込む」?「払い打ち」?各練習動画あり
ネット上では「打ち込み派」「払い打ち派」それぞれが存在するため、アイアンは打ち込むべきか、払い打ちするべきなのか、迷ってしまう人は少なくありません。しかしどちらか一方に打ち方を決めつけてしまうと、ゴルフの上達を妨げるおそれがあります。
この記事では、アイアンの打ち方に迷っているゴルファーに向けて「打ち込む」「払い打ち」の方法やコツ、メリットをそれぞれ解説します。記事の後半では練習動画も紹介しますので参考にしてください。
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目次
アイアンで打ち込む(ダウンブロー)方法は常識ではなくなった?
プレイヤーの中には「アイアンの“打ち込む(ダウンブロー)”は昔の常識」と耳にする人もいるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか。ここでは、アイアンを打ち込む問題点と、払い打ちのメリットについて紹介します。
そもそもアイアンでダウンブローを意識しすぎるのはNG
アイアンをダウンブローで打つ方法の是非を問う前に、そもそも「ダウンブローを意識しすぎる」打ち方はするべきではありません。
なぜなら、アイアンをハンドファーストで打とうとするあまり、ダウンブローの意識が強すぎると、トップの位置からアイアンをボールに向かって直線的に振り下ろしてしまいがちだからです。
このような「打ち込む」スイングは、下向きに振り下ろした反動で状態が起き上がるうえに、ライ角が大きくズレるおそれがあります。さらに、アーリーリリースになり飛距離が出なくなるケースもあるのです。
アイアンが進化し、払い打ちがしやすくなった
一方で最新のアイアンは、払い打ちを良しとする考え方もありますが、その背景にはアイアンの進化が大きく関係しています。
と言うのも、10年前のマッスルバックのアイアンに比べて、最新のキャビティアイアンは低重心化により重心の高さが平均で約4ミリ低く、かつ、重心距離が約5ミリ長くなっているからです。
その結果、上から打ち込むよりも払い打ちのほうが物理的にボールの芯を捉えやすくなったうえ、重心距離の延長でフェースの開閉がしづらくなりました。つまり、フェースを低く長く動かす払い打ちが有効になったのです。
しかし、すべてのゴルファーが払い打ちに向いているわけではありません。
あくまでヘッドが大きな最新のキャビティアイアンを使用している人に適しているだけであり、小ぶりなヘッドが多いマッスルバックの古いアイアンは、ダウンブローが適している場合もあります。
アイアンの選び方については、以下の記事も参考にしてください。
アイアンで払い打ちする方法
ここでは、アイアンを払い打ちする方法とコツを紹介します。
アイアンの払い打ちは水平に振り抜く
アイアンの払い打ちは「ほうきで床を掃くように」イメージします。
実際のスイングではボールのある位置を最下点として、ボールの入射角と反射角はできる限り鈍角にして水平方向に振り抜きます。
また、アイアンで払い打ちをするには以下にある3つのポイントを押さえておきましょう。
1.直角三角形を意識した体重移動
両足の形は、アドレス時は二等辺三角形ですが、インパクトではボールの進行方向に体重が乗るため、左足を軸とした直角三角形になるのが理想です。
スイングを映像に残すとチェックしやすいのでおすすめです。ただし、行き過ぎた体重移動は体が突っ込んでしまい、プッシュアートの原因になるので気をつけましょう。
2.行き過ぎたハンドファーストはNG
ハンドファーストを気にしすぎるとスイングはダウンブローになりがちです。
払い打ちをするには打ち込む意識を取り払いましょう。両手首は同じくらいの角度にした状態でグリップエンドを体の中心に構えます。シャフトは地面とほぼ直にすると、過剰なハンドファーストにはなりません。
3. 払い打ちをするには、テイクバックからトップまでの軌道が重要
アイアンの払い打ちはトップまでの軌道で決まるといっても過言ではありません。
テイクバックの段階でコック(手首)を使いすぎるとヘッドが通る円の軌道が小さくなってしまい、ヘッドが鋭角に入ってしまいます。テイクバックからトップまでの過程でヘッドを遠くに大きく動かす意識が大きなスイングアーク、すなわちシャローなインパクトにつながります。
アイアンの払い打ちのコツ
●右肘と右脇腹を締める
アイアンの払い打ちを安定させるには右肘と右脇を締めた状態でスイングするのが条件ですが、実際にどのようにすれば良いのか見ていきましょう。
- 右肘を締めて打つ
アイアンの払い打ちは、トップの体勢で上体を右に向いたままにし、先に腰を動かしてアドレスの位置に戻します。
そうすると右脇部分に広い空間が生まれので、ここに右肘を曲げたまま、いわゆる右肘を締めた状態でダウンスイングすると入射角のゆるい払い打ちのスイングになります。
上体から先に動くと右肘が伸びてしまい、締めづらくなるので気をつけましょう。
●内ももに力を入れて体重移動する
払い打ちでは、内ももに力を入れて体重移動のブレをなくすことが大切です。両足の内ももに力を入れて踏ん張ると、力を逃がさずに払い打ちができるからです。
逆にももの外側に力が入った状態では、行き過ぎた体重移動で体が右側に大きく流れてしまいスイングが安定しません。
アイアンの「打ち込む(ダウンブロー)」の仕組み
「払い打ち」と「打ち込む(ダウンブロー)」の違いについて、ここではダウンブローの仕組みを解説します。
ダウンブローはスイングの最下点より手前でボールをとらえる
アイアンでボールを打ち込む「ダウンブロー」は、ハンドファーストの状態でダウンスイングの最下点より前のタイミングでボールを上から打ち下ろす形が基本です。
ボールをとらえてそのままヘッドを押し出すように走らせると、ヘッドの溝がボールを擦るのでバックスピンがかかり、それが揚力になって飛距離が出やすくなります。
ただし、アイアンはハンドファーストを計算に入れて設計されているので、もともとダウンブローでスイングしやすくなっています。
打ち込む意識が強すぎるとボールを正しい位置でとらえるのが難しくなるので気をつけてください。
ちなみに「ダウンブロー」や「打ち込む」など人によって言い方は異なりますが、そもそもこれらは同じ意味で呼び方が違うだけです。
こちらの記事も参考にしてください。
アイアンで打ち込むメリット
アイアンをダウンブローで打つと、飛距離が伸びたり、安定性の向上につながったり、バックスピンがかかりやすくなったりなど、上達に直結します。そこで、アイアンで打ち込む具体的なメリットを紹介します。
アイアンで打ち込むと飛距離が伸びる
ダウンブローでのインパクトは、ハンドファーストの状態ですからグリップエンドが前にあり、フェースは立った状態です。ボールがフェース面に厚く当たるので、弾道が低くなり飛距離が伸びやすいのです。
また、ヘッドを斜めに落とすスイングにより、ボールにバックスピンがかかり空気抵抗を生む点も飛距離アップの要因です。
アイアンを打ち込むことによって払い打ちよりも番手ひとつぶんほど飛距離が伸びる人も中にはいます。
アイアンは適度に打ち込むと軌道が安定する
アイアンで打ち込むとき、適切なバックスピンがかかると直進性を高めるため、飛距離以外に軌道の安定も期待できます。
まるで空気を割いて飛んでいくように、野球のピッチャーが投げるストレートと同様に曲がりにくく伸びやすいのが特徴です。
しかも、適度なバックスピンが効いた弾道は落下してからの転がりが計算しやすいため、コントロール性が高まります。ボールが転がりやすいグリーンでは、少しでもカップ近くに寄せるために、適度のスピンの効いたボールが不可欠です。
打ち込みは、地面の状況に影響されにくい
アイアンの打ち込みをマスターできれば、変化に富んだ地形のホールでも慌てることなくプレーができます。
ダウンブローは弾道が上がりやすいので、比較的打ちやすいうえにライのコンディションの影響を受けにくいスイングです。つまり、飛距離や方向が安定したショットを打ちやすくなります。
一方、払いうちはディポットや深いラフなど、厳しいボールのライには対応しきれないことが多いです。
アイアンを打ち込む&払い打ちする練習動画
ここでは、打ち込む&払い打ちの練習動画を紹介するので、レッスンの参考にしてください。
ダフらずに打ち込むには、できるだけシャローでソールを滑らせる
アイアンは入射角が鋭角になるほどリーディングエッジから入るためダフリやすいので、アイアンのソールから地面を滑らせるスイングがダフらずに打ち込むポイントです。
そのためには、ダウンブローではあるものの、入射角をできるだけシャローにするアイアンの使い方がマストです。
そこで大事なのが頭の位置です。
頭が前に行き過ぎると入射角が鋭角になりやすいので、頭をボールからできるだけ動かさない意識を持ちましょう。いわゆる体重移動の少ないスイングです。
そして、ダウンスイングではトップでできた頭の位置はそのままでグリップを大きく動かしてシャローに入れ、ソールを滑らせてインパクトします。
また、過度なハンドファーストはNGです。アイアンは普通に打つとハンドファーストの形になりますが、過剰なハンドファーストは打ち込みすぎてミスショットの原因になりかねません。
適度なハンドファーストを意識しながら入射角をシャローに入れてくれば、ソールが滑ってダフらずに打ち込めます。
アイアンのダフリ対策については、こちらの記事も参考にしてください。
アイアンをシャローに入れるテクニック
アイアンをシャローに入れるための重要なポイントは、手首の使い方です。
また、ダウンスイングの際にフェースが開いたままだとシャンクなどのミスが出てしまうので、アーチ状に左手の甲を逆方向に曲げてフェースを閉じてください。
フェースを閉じた状態でスイングをしても、クラブの重さで開いていくので自然にシャローに入ります。
マスターするコツは、ダフリを怖がらずにシャフトを少し後ろに寝かせながら、50~60ヤードのコントロールショット練習を繰り返すことです。
はじめのうちは、かなりインサイドから入ってくる感覚になるかもしれませんが、シャフトが寝る感覚とそれをボディターンで戻してくるタイミングをつかめば、クラブを効率よく使えるシャロースイングになります。
アイアンで払い打ちする方法
アイアンで払い打ちをするには、これまで説明してきた通りシャローに入れるのが大前提です。
そのうえで、ボールの10センチくらい手前から右手を使ってソールを滑らせる感覚で打ちます。アイアンの払い打ちをマスターできると打ち出し角が一定になるうえに、多少はスイートスポットを外しても飛距離が安定します。
昔のアイアンはネック部分が長く、スイートスポットはヒール側の高い位置にありました。一方、最新のアイアンはネック部分が短く、フェースが大きいうえにソール幅も広くなり、スイートスポットが中央の低い位置へ変わっています。
そのため、昔のアイアンは打ち込まなければスイートスポットに当てるのが難しかったのですが、最新版は払い打ちをしたほうがスイートスポットに当てやすくなりました。
アイアンの進化により払い打ちをしやすくなっているので、上から打ち込んでいた人もソールを滑らせる払い打ちにチャレンジしてみましょう。
結局アイアンの「打ち込み」はいらない?
<結論>ライのコンディションで打ち方を使い分けることが重要
アイアンの打ち込みと払い打ちは、どちらか一方に決めつける必要はありません。なぜなら、進化したアイアンでは打ち込むのが難しいとはいえ、打ち込みと払い打ちそれぞれに得意なライがあるからです。
- ラフにボールが埋まっている状態…ダウンブローでの打ち込みが有効
- 良いライにボールがある場合…インパクトゾーンを長くとる払い打ちが有利
さらに、左足上がり・左足下がり・つま先上がり・つま先下がりなどのライでも、使い分けが必要です。
たとえば、つま先上がりのライで打ち込むとダフりやすいため、払い打ちが一般的です。このように、ライのコンディションで打ち方を使い分けながら、最善のショットでスコアアップを目指しましょう。
アイアンと同じぐらいドライバーの悩みも解決したい方は必見!ドライバーおすすめ62選!とにかく上手くなりたい方はライザップゴルフのぺージを一度見てみてください!ゴルフ人生が大きく変わるかもしれません!
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この記事を監修したプロゴルファー
樋口 健太郎
1991年10月2日、京都生まれ。父の勧めで小学校低学年から地元のゴルフスクールに通い始める。スポーツ推薦で千葉学芸高校から立命館大学へ進学。7年間体育会ゴルフ部でゴルフの技術とゴルフを通した人格形成を学ぶ。2016年、PGAプロテストに合格し、現在は出場権のある試合に出場し、並行してコースデビューからアスリートゴルファーまで幅広いレベルのゴルファーにレッスンを行なっている。大切にしていることは、まずはゴルフを楽しむこと。レッスンの面では確率やデータ、試合での経験に基づき、効率よくスコアアップのお手伝いをすること。
■使用クラブ
ドライバー テーラーメイドM4
FW キャロウェイ XR
UT AKIRA 21° 18°
アイアン AKIRA KS301
52°58° AKIRA 8シリーズ
パター スコッティキャメロン
使用ボール スリクソン zstarXV
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