【プロ監修】アイアンの傾斜での打ち方!ミスショットが改善するドリル動画付き
「練習場では打てるのに、コースに出るとなぜかうまくいかない」「練習場でレッスンしてもなかなかスコアが伸びない」といった悩みの原因は何でしょうか。その原因は、もしかするとコース独特の「傾斜」にあるのかもしれません。自然の環境や地形を活かしたコースには、必ず傾斜がつきものです。この記事では、傾斜がある場所での打ち方のコツをご紹介します。
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コースでは平坦な位置よりも、傾斜から打つ場合が多い
練習場との大きな違いは、様々なアンジュレーション(起伏)が存在することです。
そのため傾斜での打ち方を練習したくても練習場では難しく、コースに出て初めて、その場の傾斜に合わせた打ち方をしなくてはなりません。
特にライの悪い林の中に入ってしまったときなどは、きつい傾斜からのショットもありえます。
ここでは傾斜を大まかに分類し、パターンごとに打ち方のコツを紹介します。傾斜のパターンは次の4つです。
- 左足上がりのライ(プレイヤーから見てボールを飛ばす方向が上り坂)
- 左足下がりのライ(プレイヤーから見てボールを飛ばす方向が下り坂)
- つま先上がりのライ(ボールが足底よりも高い位置にある) つま先下がりのライ(ボールが足底よりも低い位置にある)
傾斜別アイアンの打ち方
傾斜でミスショットが出る原因は、主に次の3つです。原因に対してどのような対策が有効かを、パターン別に解説します。
<傾斜でミスショットが出る原因>
- 足元が不安定でバランスが取りにくく、体勢が崩れやすい
- ボールと足の高低差にスイングや構えが対応出来ていない
- ボールとの距離を保てていない
【つま先下がりの傾斜】スタンス幅広め、コンパクトに振り抜く
つま先下がりの傾斜は難度が高いため、スタンス幅を広くして重心を下げ、大振りをせずコンパクトにスイングします。
アドレスで重要なポイントは以下の通りです。
- スタンス幅を広くし、膝を通常のアドレスよりも深く曲げ、どっしりと構える
- イスに座るときのように、やや後ろに重心を持ってくる(空気イスに座るイメージで腰を落とす)
- 前傾姿勢の角度を変えずにに振り抜く
安定感が増してアドレスのバランスが保て、なおかつボールとの距離を平坦なライと同じにできるため、ミスショットが減ります。
反対に前のめりになると体勢が安定せず、ミスが出やすくなります。
コンパクトなスイングは、ショットの正確性を高めるためです。
そのぶん飛距離を補わなければならないため、クラブはいつもより番手の大きいものを選択しましょう。
また、つま先下がりの傾斜はフェースが右に向くことから右方向に飛びやすくなります。やや左向きのアドレスを作ることも大切です。
<参考動画>
つま先下がりの傾斜での構え方をチェックできます。
【つま先上がりの傾斜】目標よりやや右向きで構え、クラブを短めに持つ
つま先上がりの傾斜地では、ボールが左に飛びやすいため、やや右向きにアドレスを作り、傾斜の角度に応じてクラブを短めに持つのがコツです。
アドレスで重要なポイントは以下の通りです。
- ボールが足底より高い位置にくるため、クラブを短めに持つ(握る位置は傾斜の角度によって変える)
- 通常のアドレスよりも膝の曲げ具合を浅くし、前傾角度も浅めにする
つま先上がりの傾斜ではボールの位置が通常よりも近くなります。
クラブを短めに持って操作性を上げ、通常のスイングよりもコンパクトに振ることを心がけましょう。
コンパクトなスイングをしても番手通りの飛距離が出るように、1番手大きいアイアンを使います。また、フェースが左へ向くことから左方向へ飛びやすくなるため、やや右向きのアドレスを作ります。
さらにつま先上がりの傾斜はヘッドが芝に刺さりやすく、軌道も重要です。ダフリを防ぐために、傾斜の低いインサイドからヘッドを入れるスイングを意識しましょう。
<参考動画>
クラブの持ち方と重心のかけ方を確認できます。
【左足下がりの傾斜】ライに沿って構え、弾道は低め
左足下がりの傾斜では、傾斜に逆らわず腰と肩を角度と平行に保って構え、低めの弾道を描くように意識します。
アドレスで重要なポイントは以下の通りです。
- 傾斜と腰と肩が平行になるように構える(傾斜に対して垂直に立つ)
- ボールの位置はボール半個分ほど右より
- スイング中に左足が伸びてしまうと軸がぶれるため、最後まで左足の角度を保つ
左足下がりの傾斜は、右足に体重が残ってしまうとダフリやすく、苦手な人が少なくありません。
ダフリやトップを防ぐためには、傾斜に逆らわないことが大切です。
加えて無理にボールを上げようとせず、傾斜に沿ってスイングしましょう。
<参考動画>
傾斜に沿った構え方と傾斜に逆らわない打ち方を確認できます。
【左足上がりの傾斜】左足を引いてボディターン
左足上がりの傾斜では、わずかに左足を引き、体が十分に回転しきることを優先します。アドレスで重要なポイントは以下の通りです。
- 傾斜と腰と肩が平行になるように構える(傾斜に対して垂直に立つ)
- 右足の内側にやや重心をかける
左足上がりの傾斜ではボールが上がりやすく、傾斜を意識しすぎてアッパー軌道になってしまうと飛距離が落ちてしまいます。
そのためボールを上げることよりも前に飛ばすことを意識します。さらに大振りするとミスショットになりやすいため、ミート率を優先しスリークォータースイングを基準にしてコンパクトに振りましょう。
傾斜の角度がきついときや、ショットをさらに安定させたいときは、グリップをやや短めに持つと良いでしょう。
<参考動画>
傾斜に沿って腰と肩を平行にするアドレスの作り方が分かります。
アイアンで傾斜をマスターする打ち方ドリル6選
傾斜でのショットをマスターすることは、スコアアップには避けて通れない道です。
コースでスコアが伸びない人や、これまで何となくこなしていた人は、コツを押さえるだけでもスコアが改善します。ここで紹介する動画で十分にイメージトレーニングを重ねてから臨みましょう。
各傾斜でのアイアンの基本スイングを身に着けるドリル
つま先上がり・つま先下がり・左足上がり・左足下がりそれぞれの傾斜について、打ち方のコツを紹介しています。
打つ前のアドレスの作り方を丁寧に解説しているため、真似するだけでかなりの改善が見込めます。ミスショットを防ぎたい人は、まずこの動画を参考にすると良いでしょう。
<動画のポイント>
- つま先上がり…右を向いたアドレスを作り、クラブを短く握ってフラットなスイングを意識
- つま先下がり…左側を狙って構え、膝を曲げて腰(お尻)を落とす。ボールまでの距離を調整し、アップライトスイングを心がける
- 左足上がり…傾斜に逆らわず肩のラインを地面と平行にして構え、スイング軸を地面に垂直にして軸がブレないようにスイングする
- 左足下がり…肩のラインを地面と平行にして構え、ボールを高く上げようとせず、オープンスタンスにして左足の角度をキープしたまま打つ
アイアンで4種の傾斜全てでナイスオンする打ち方
左足下がり・左足上がり・つま先上がり・つま先下がりの順に打ち方のコツを紹介している動画です。
「残り120ヤード」「傾斜とラフのある位置からのナイスオンを目指すシチュエーションでの打ち方」をパターン別に学べます。
下半身の体重のかけ方を詳しく解説しているので、ふらつきから失敗してしまう人は必見です。
<動画のポイント>
- 左足下がり…やや左向きに構えてバックスイングは傾斜に逆らわず真上に上げ、左側に体重をかけたままボールを上げずに打つ
- 左足上がり…右足の股関節を中心に軸をとり、1番手大きいアイアンで体重移動をさせずにべた足気味でスイングする
- つま先上がり…つま先に重心をかけてクラブを短く持ち、確実なインパクトを優先させる
- つま先下がり…かかとに重心をかけて腰をややオープンにして打つ
つま先上がりの傾斜でダフらないアイアンの打ち方
この動画では、つま先上がりの傾斜での打ち方を学べます。
コツと合わせて、やってしまいがちな失敗も詳しく解説しているため、問題点を見つけたいときに参考になります。
スイングは側面からと正面からの2アングルから観察可能。つま先上がりの斜面で失敗しがちな初心者向けです。
<動画のポイント>
- つま先に体重をかけ、下半身を安定させる
- クラブを短く持つ
- 前傾を浅めに構え、ボールとの距離感を保ってスイングする
- 目標より右側を狙う
- 70%の力で打ち、より打ちやすい場所にボールを出すことでスコア改善を狙う
つま先下がりの傾斜での打ち方
かなり急なつま先下がりの傾斜での打ち方を学べる動画です。
ポイントを2つに絞っているため分かりやすくまとまっています。基本的なポイントだけを押さえて、あとはコースで実践しつつ覚えたいという人に適しています。
- 上半身の角度はキープしたままスタンスを広げ、スタンス幅と膝でボールまでの距離を調整する
- バランスをキープしつつ飛距離を出すために、アイアンの番手を上げてコンパクトなスイングを心がける
左足上がり傾斜での打ち方
左足上がり傾斜で、ピンまでボールを届かせることを目標とした動画です。
左足上がりは、打ち上げやすいことから苦手意識が生まれにくい傾斜ではあるものの、距離を合わせるのは簡単ではありません。
というのも、インパクトの入射角が鈍角(アッパー)になりすぎて、狙った距離を飛ばせないという現象が起こるからです。
左足上がり斜面を抜け出すことのみならず、距離もコントロールしたい中級者向けです。左足上がり傾斜は得意だと自覚している人でも、改善の余地を発見できます。
- バックスイングはゆっくり、ダウンスイングは自然に打ち抜く
- 体重移動は気にせず、それよりもバランスを取ることを意識する
- アイアンの番手を上げて打つ
左足下がり傾斜でのアプローチ
かなり極端な左足下がりの斜面から確実にグリーンに寄せる方法を解説した動画です。
ボールがコースから逸れて林の中に入ってしまったときに、確実にグリーンへ寄せるケースを想定しています。
傾斜でのショットは、傾斜角がきつくなるほどバランスを取るのが難しくなるため、こういった極端な例を参考にした方が理解しやすいでしょう。
- 斜面に逆らわず傾斜に沿って構え、斜面に沿ってスイングする
- ボールを浮かせようとしない
- スタンスは広めに取り、安定性を重視
- 打ち上げるのではなく転がすことを意識してグリーンに寄せる
傾斜面でアイアンの打ち方はアドレスの作り方がポイント
コースでの傾斜にはさまざまなパターンがありますが、打ち方には共通点があります。
それは「軸をブレさせず体のバランスを崩さない」「傾斜に無理に逆らわない」点です。スイングを安定させるために、パターンごとのスタンスの幅、膝の角度、下半身への重心のかけ方を学んでおきましょう。
傾斜面でのスイングが上達すれば、確実にコースでのスコア改善につながります。
アイアンと同じぐらいドライバーの悩みも解決したい方は必見!ドライバーおすすめ62選!とにかく上手くなりたい方はライザップゴルフのぺージを一度見てみてください!ゴルフ人生が大きく変わるかもしれません!
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この記事を監修したプロゴルファー
樋口 健太郎
1991年10月2日、京都生まれ。父の勧めで小学校低学年から地元のゴルフスクールに通い始める。スポーツ推薦で千葉学芸高校から立命館大学へ進学。7年間体育会ゴルフ部でゴルフの技術とゴルフを通した人格形成を学ぶ。2016年、PGAプロテストに合格し、現在は出場権のある試合に出場し、並行してコースデビューからアスリートゴルファーまで幅広いレベルのゴルファーにレッスンを行なっている。大切にしていることは、まずはゴルフを楽しむこと。レッスンの面では確率やデータ、試合での経験に基づき、効率よくスコアアップのお手伝いをすること。
■使用クラブ
ドライバー テーラーメイドM4
FW キャロウェイ XR
UT AKIRA 21° 18°
アイアン AKIRA KS301
52°58° AKIRA 8シリーズ
パター スコッティキャメロン
使用ボール スリクソン zstarXV
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